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草間 義紀
プラズマ診断の基礎と応用, p.195 - 205, 2006/03
プラズマ・核融合学会からの依頼により、上記の本の第6章第3節「高速中性粒子の計測」を執筆した。高温プラズマ中の高速イオンの挙動を解明することを主な目的に幅広く利用されている高速中性粒子計測に関し、高速中性粒子の発生過程,高速中性粒子発生量の評価,高速中性粒子のプラズマ中での減衰と積分効果,質量/エネルギー分析器など、本計測の基礎を概観している。また、高速イオンの中性化過程における不純物イオンの効果,多段階電離過程による高速中性粒子の減衰など、近年、考慮する必要があると考えられるようになった効果についても述べた。さらに、実際の計測及び分析器の設計を行う際の注意点について触れた。
篠原 孝司; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 都筑 和泰; 鈴木 貞明; 浦田 一宏*; 伊世井 宣明; 谷 孝志; 菊池 一夫; 柴田 孝俊; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.187 - 196, 2006/02
被引用回数:7 パーセンタイル:46.04(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mではフェライト鋼の挿入によりトロイダル磁場のリップルを低減した。二種の低減法が試された。最初の場合では、フェライト鋼はトロイダルコイルと真空容器に挟まれる空間に設置された。二つ目の場合ではフェライトは真空容器の内面をほぼ全面覆うように設置された。いずれの場合もリップルの低減に成功し、高速イオンの熱負荷の低減を確認した。また、フェライト鋼によって発生する複雑磁場に対応したOFMCコードも作成した。ここではJFT-2Mのフェライト鋼挿入によるリップル低減についてレビューする。
岡野 邦彦*; 鈴木 隆博; 梅田 尚孝; 日渡 良爾*; 正木 圭; 飛田 健次; 藤田 隆明
プラズマ・核融合学会誌, 81(8), p.579 - 580, 2005/08
トロイダル系では中性粒子ビーム入射により生成されトーラスを循環する高速イオンが中性粒子ビーム自身の停止断面積に影響を与える。この効果は主著者(岡野)により初めて提案され「ビーム粒子自己相互作用(BPSI)」と名付けられた。最近のJT-60Uにおける350keV軽水素原子ビーム入射実験によって、世界で初めてこのBPSI効果を同定した。電子密度110m程度の低密度放電においてビームの突き抜けはビーム入射開始後数100ms以内に35%減少した。この結果はBPSI理論による予言と一致する。
篠原 孝司; 川島 寿人; 都筑 和泰; 浦田 一宏*; 佐藤 正泰; 小川 宏明; 神谷 健作; 笹尾 一; 木村 晴行; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.586 - 593, 2003/07
被引用回数:49 パーセンタイル:80.18(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2MではAdvanced Material Tokamak Experiment (AMTEX) プログラマの第3段階として真空容器内にプラズマをほぼ覆うようにフェライト鋼壁を設置した(FIW)。ポートと周期的な設置が困難なため、磁場構造は、非周期的な複雑リップルとなる。このような複雑リップル下で、その高速イオン損失に与える影響を理解するための実験を行った。FIWではフェライト鋼の厚みを最適化することでトロイダル磁場リップルの強さを小さくしているが、この手法によるトロイダル磁場リップルの低減が観測され、さらに、リップルの低減に伴い、高エネルギー粒子の損失の低減が確認された。また、積極的に磁場構造を変えるために真空容器の外に外部フェライト鋼をつけた実験も行った。結果、局所リップルの役割はリップル井戸のポロイダル断面形状の影響を強く受けることがわかった。さらに、複雑磁場構造を扱えるように改良したOFMCコードと実験結果の比較を行った。実験で使用したさまざまな複雑磁場構造の熱流速について、実験結果と計算結果が良い一致を示した。
Mironov, M. I.*; Khudoleev, A. V.*; 草間 義紀
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/07
JT-60では、イオンサイクロトロン波を用いた少数イオン加熱によってMeV領域まで加速されたイオンは、水素様の軽元素不純物イオンとの荷電交換によって中性化され、プラズマを飛び出して中性粒子分析器で検出される。中性粒子ビーム(NB)との荷電交換で生成される水素様の不純物イオンは、トロイダル方向に動き、分析器の視線を横切る。そのため、NBが分析器の視線を横切らなくても、NBは分析器信号を増大させる。不純物イオンは、トロイダル方向及びポロイダル方向に動くため、分析器の視線に対する各々のビームの寄与を注意深く取り扱うモデルを開発してきた。JT-60では、NBは多様なトロイダル位置から異なった角度でプラズマに入射される。この論文では、各々のNBからの分析器信号への寄与を評価することにより、異なる半径から放出される中性粒子を区別でき、その結果、局所的なエネルギー分布を測定できることを示す。NBによって生成される水素様不純物イオンの空間分布を計算するため、トカマクの配位やNB入射を正確に取り入れ、ビームのプラズマ中での減衰,不純物イオンのトカマク磁場中での運動,プラズマイオンや中性粒子との衝突を取り扱うことができるモンテカルロコードを開発した。
草間 義紀; 小関 隆久
日本物理学会誌, 56(4), p.262 - 266, 2001/04
トカマクプラズマにおいて、高速イオンが励起するアルヴェン固有モードの周波数領域で急激な周波数変化を伴った間欠的な磁気振動を見いだした。さらに、高速イオンエネルギースペクトルの測定から、この間欠的現象が高速イオンと磁気振動との共鳴的相互作用によることを明らかにした。高温プラズマにおける電磁流体的振動と高速イオンの相互作用の解明は、核燃焼プラズマ物理を理解し、粒子によるプラズマの加熱が支配的な核燃焼プラズマを実現するための研究の最前線の一つとなっている。
川島 寿人; 都筑 和泰; 谷 孝志; 佐藤 正泰; 木村 晴行; JFT-2Mグループ
Review of Scientific Instruments, 72(1), P. 919, 2001/01
高速イオン損失の原因となるトロイダル磁場リップルを低減するため、JFT-2Mにフェライト鋼板(FB)を設置した。FBの効果を評価するため、高空間時間分解能を持つ2次元赤外線カメラ(IRTV)システムを開発した。IRTV本体は、時間分解能1/60秒、測定可能温度範囲0-500を有す。検出部分には、3~5mの赤外線に感度を持つPtSi素子が256256個並べられている。第一壁を見込むための光学系構成を簡素化(レンズ、反射鏡、サファイア真空窓各1枚)し、カメラ位置から壁までの距離を3.5mまで短くして高空間分解能約3mmを得た。これを用いて、NBI加熱中、リップル捕捉損失イオンによる局所的温度上昇を観測することができ、FB装着前には、最高上昇温度Tが約75まで達した。FB装着後、Tは明らかに減少し、最適条件では温度上昇がほぼ零になってFBの高速イオン損失低減効果を明らかにできた。
川島 寿人; 都筑 和泰; 伊世井 宣明; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 木村 晴行
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 25A, p.1337 - 1340, 2001/00
JFT-2Mではフェライト鋼板(FB)によるトロイダル磁場リップル及び電流方向(w)接線中性粒子入射(NBI)で生成された高速イオンのリップル捕捉(RT)損失の低減を実証した。今回は高速イオン損失にかかわるNBIの入射角の違いと損失低減効果の関係を調べるため逆電流方向接線NBI及び垂直NBIを用いリップル損失を測定した。垂直NBIでは(肩部の基本モード平均リップル率)が0.6%でRT損失割合が接線NBIの場合の約8倍になったが、0.07%にすると零になり損失低減効果がビーム入射角に依らないことが確かめられた。次に磁場リップルのトロイダル非一様性にかかわる高速イオン損失を第一壁温度上昇(T)のトロイダル分布から評価した。CO-NBI時にを0.07%(最小: -0.56%,最大: 0.84%)から0.71%(最小: 0.15%,最大: 1.1%)にした場合、局所的なリップル率の変動に比べてTの変動は小さく全体が平均値に沿って上昇し、局所的リップル率の依存性が小さいことを示した。
Kramer, G. J.; 岩瀬 誠; 草間 義紀; 森岡 篤彦; 根本 正博; 西谷 健夫; 篠原 孝司; 竹治 智; 飛田 健次; 小関 隆久; et al.
Nuclear Fusion, 40(7), p.1383 - 1396, 2000/07
被引用回数:46 パーセンタイル:77.78(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UにおいてICRF加熱または、N-NBI加熱を用いて高速イオンの実験を行ってきた。両方の加熱手法でアルフヴェン固有(AE)モードの励起を観測した。ICRF加熱中のAEモードの解析から以下のことがわかった。(1)鋸歯状振動中にICRF加熱によって励起されたAEモードの情報からプラズマ中心領域の安全係数分布を評価をすることができた。これらの結果はMSE計測結果及び、鋸歯状振動の理論計算モデルと良く一致し、この解析手法の正当性を示した。(2)X-モード反射計を用いてTAEモードの径方向のモード構造がJT-60Uで初めて評価し、これらのモードがNOVA-Kコードで予測されたバルーニング構造を持つことを明らかにした。また、N-NBI加熱実験から以下の結果を得た。(1)N-NBI加熱によって鋸歯状振動周期が長期化できることがわかった。(2)N-NBI入射中にアルフヴェン周波数領域のモードを解析した結果、通常のTAEモード以外にバースト的な振る舞いをするモード、周波数捜引するモードが存在することを明らかにした。
木村 晴行; 川島 寿人; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 三浦 幸俊; 伊世井 宣明; 井戸 毅*; 小川 俊英; 上原 和也; JFT-2Mグループ
JAERI-Conf 2000-004, p.77 - 80, 2000/03
JFT-2Mにおける先進材料プラズマ試験の一環であるフェライト鋼板(FB)設置によるトロイダル磁場リップル低減実験の成果を発表する。FBは基本モードと2倍モードの両方の磁場リップルを減少するよう最適化されている。FB装着後、磁場リップルが約50%に減少したことを磁気プローブの測定により確認した。これに伴い高速イオンのリップル損失(リップル捕捉(RT)損失、バナナドリフト(BD)損失)も減少した(RT損失はFB設置前の約50%に減少)。プラズマ電流とトロイダル磁場の値を変えることによりFB設置後のリップル損失の安全係数やリップル率依存性を調べ、RT損失は安全係数やリップル率の増加に伴い増加するが、BD損失は逆の振る舞いをすることを明らかにした。Hモードプラズマのトロイダル回転速度はFB設置後、顕著に増加した。
都筑 和泰; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 阿部 哲也; 上原 和也; 小川 俊英; 秋山 隆*; 柴田 孝俊; et al.
Journal of Nuclear Materials, 283-287, p.681 - 684, 2000/00
被引用回数:12 パーセンタイル:62.16(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は、次世代の核融合装置の候補材料の一つである。フェライト鋼は強磁性体であるという点で従来の材料と大きく異なる。これまで強磁性体は閉じ込め磁場を乱すと考えられていたが逆に磁性を利用してトロイダル磁場リップルを低減し、プラズマを改善することが期待されている。JFT-2Mでは、実際にフェライト鋼を挿入し、効果を実証する実験を行っている。現在はフェライト鋼を真空容器の外部に設置し、リップル低減の効果を調べている。その結果、高速イオンのリップル損失量はほぼ半減することが示された。また、閉じ込め、制御に関しては悪影響はなかった。これらのことから低放射化フェライト鋼はプラズマ改善の面からも有望であることが実証された。次の段階としてフェライト鋼を真空容器の内部に入れる実験を計画中であり、不純物抑制のための表面処理の研究も進めている。
Kramer, G. J.; Cheng, C. Z.*; Fu, G. Y.*; 草間 義紀; Nazikian, R. M.*; 小関 隆久; 飛田 健次
Physical Review Letters, 83(15), p.2961 - 2964, 1999/10
被引用回数:24 パーセンタイル:75.07(Physics, Multidisciplinary)短時間に急速な周波数低下を示す中心局在トロイダル・アルフヴェン固有モード(C-TAE)を観測した。低磁気シアプラズマでは、中心の安全係数が下がるとC-TAEの存在位置が低磁場側へ速く移動するため、このような周波数変化が起こることを示した。この場合、周辺部には大域的TAE(G-TAE)が存在可能であるが、減衰項が十分大きいため実際には存在できない。しかし、C-TAEの周波数が低下してG-TAE周波数と重なるとき、実際には存在しないG-TAEはC-TAEと結合し、一時的にC-TAEを安定化することが明らかになった。この結果、C-TAEの周波数は連続的に低下するのでなく、G-TAE周波数と一致するとき一時モードが消失し、その周波数を通過した直後に再出現するという「周波数の跳び」現象を示す。
飛田 健次; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 41(SUPPL.3A), p.A333 - A343, 1999/00
被引用回数:28 パーセンタイル:65.21(Physics, Fluids & Plasmas)ITERの運転モードとして採用されているELMy Hモードと負磁気シアモードについてJT-60Uでの実験結果をまとめた。ダイバータをW型に改造した後のELMy Hモード実験では、高閉じ込めの長時間維持とヘリウム排気の観点からW型ダイバータの有効性を実証した。しかし、エネルギー閉じ込め性能に関しては、ダイバータ改造前と同じように、高密度領域での閉じ込め劣化が見られた。負磁気シアモードの実験では、放電の最適化を進めた結果、等価DT核融合エネルギー増倍率で世界最高値となる1.25を得た。また、負磁気シアプラズマでの粒子輸送を調べる実験により、内部輸送障壁のできる領域には内向きのピンチ粒子束が存在することを明らかにした。さらに、負磁気シアプラズマをICRF加熱すると、加熱分布が中空状になる現象を見いだした。
木村 晴行; 草間 義紀; 三枝 幹雄*; Kramer, G. J.*; 飛田 健次; 根本 正博; 近藤 貴; 西谷 健夫; O.DaCosta*; 小関 隆久; et al.
Nuclear Fusion, 38(9), p.1303 - 1314, 1998/09
被引用回数:126 パーセンタイル:95.17(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおけるアルヴェン固有モード、高速イオンの閉じ込め、高速イオンの計測に関する最近の研究成果を発表する。負磁気シア放電では、輸送障壁に強い密度勾配が伴う場合はTAEモードは安定である。密度勾配がゆるいと、多数のTAEモードが安全係数のピッチ極小点付近に現れ、かつ大きな周波数変化(f~90kHz)が見られる。低q正磁気シア放電ではTAEモードの位置が電流分布の時間発展に伴い、q=1面の外側から内側へと変化する。q=1面の内側に多数の高nモードが存在するときのみMeVイオンの個数が顕著に減少する。負磁気シア放電では、トリトンの燃焼率がかなり劣化する。軌道追跡モンテカルロ計算によれば、トリトンの損失増大の原因はリップル損失である。負磁気シア放電のICRF加熱時の高速イオンの蓄積エネルギーは正磁気シア放電に匹敵する。その他、MeV中性子分析器、線計測等の開発成果を述べる。
Kramer, G. J.*; 三枝 幹雄; 小関 隆久; 草間 義紀; 木村 晴行; 及川 聡洋; G.Y.Fu*; C.Z.Cheng*; 飛田 健次
Physical Review Letters, 80(12), p.2594 - 2597, 1998/03
被引用回数:45 パーセンタイル:83.75(Physics, Multidisciplinary)三角度が励起する三角度励起アルフベン固有(NAE)モードを、イオンサイクロトロン波帯高周波と中性粒子入射を用いた複合加熱実験時に、JT-60Uにて世界で初めて観測した。その際、楕円度励起アルフベン固有(EAE)モード、トロイダルアルフベン固有(TAE)モードも、同時に観測した。また、NAEモードの励起に必要な高速イオンのベータ値の閾値は、TAEモード励起と同程度になるプラズマパラメータが存在することが判明した。計算コード(NOVA-K)による解析によれば、観測されたNAEモードは、規格化小半径r/aで0.8以上の周辺部に励起されたと推定できた。また、測定データから求めたアルフベン共鳴連続スペクトルの構造から、容易に励起可能と考えられたEAEモードは、内部インダクタンスが低い場合のみしか観測できなかった。
三枝 幹雄; 木村 晴行; 草間 義紀; Kramer, G. J.*; 小関 隆久; 森山 伸一; 及川 聡洋; 閨谷 譲; 近藤 貴
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(9), p.1647 - 1659, 1998/00
被引用回数:35 パーセンタイル:72.04(Physics, Fluids & Plasmas)国際熱核融合実験炉(ITER)と同様な低qプラズマ配位におけるトロイダルアルフベン固有モード(TAEモード)の研究を行った。本研究では、JT-60UでのICRF加熱実験にてTAEモードの励起に必要な高速イオン(軽水素イオン)を発生させ、高周波電力、線平均電子密度、内部インダクタンスを変化させることにより、様々なTAEモードを観測し、TAEモードの発生機構を系統的に解明することができた。実験で観測された4種類のモードは、低内部インダクタンスで大電力高周波加熱時に発生する低シアモード、q=1面外に発生する通常のTAEモード、q=1面内に発生する竜巻上の周波数スペクトルを有するモード(トルネードモード)、高周波密度時にのみq=1面内に発生するトロイダル両方向に伝播するTAEモード(世界で初めて観測)であり、トルネードモードに関しては、プラズマの内部エネルギー、中心付近の電子温度の減少、特に3MeVの軽水素イオン数の著しい減少が観測された。これによりITERのような低q配位では、トルネードモードにより著しい高速イオンの閉じこめ劣化が発生する可能性があることが分かった。
近藤 貴; 長島 章; 塚原 美光; Richards, R. K.*; Hutchinson, D. P.*; 森山 伸一; 森岡 篤彦; 飛田 健次; 草間 義紀; V.G.Kiptily*
Proc. of 1998 Int. Congress on Plasma Physics, p.1478 - 1481, 1998/00
ITERにおいて、高速粒子計測は開発すべき重要な計測の1つである。JT-60Uにおいて開発している2つの計測について述べる。(1)線計測は、不純物イオンと高速イオンの反応により発生する1~20MeVの線を測定している。これにより、MeVエネルギー領域のイオンエネルギー分布と高速イオンの閉じ込め特性を調べている。(2)協同トムソン散乱は、ITERにおいてイオン温度計測、及び粒子の測定法として候補に上がっており、その測定法を実証するため、並びにJT-60Uのイオン温度計測法として開発を行っている。10ジュールのパルスCOレーザをプラズマ中に入射し、散乱角0.5度の散乱光をヘテロダイン受信する。散乱パワーの計算により、イオン温度測定に必要なS/N比が得られることが示される。
近藤 貴; 草間 義紀; 木村 晴行; 三枝 幹雄; 藤井 常幸; 森山 伸一; 根本 正博; 飛田 健次; 森岡 篤彦; 永島 圭介; et al.
Journal of Nuclear Materials, 241-243, p.564 - 568, 1997/02
被引用回数:12 パーセンタイル:67.93(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいて、イオンサイクロトロン周波数領域(ICRF)加熱により核融合炉の高速イオンを模擬し、中性子(ボロンと高速イオンの反応による)およびガンマ線(Bpp',Cpp'反応による)計測により、高速イオンと第一壁の相互作用を調べた。その結果、鋸歯状波崩壊時に中性子信号中に、早い増加(約5ms)及び遅い増加(約100ms)の2つの特徴的な振舞いが観測された。小さい鋸歯状波の場合には、早い増加のみ観測されるのに対して、巨大鋸歯状波の場合には、これら2つの波形の重ね合せとなっている。早く増加する中性子信号は、損失高速イオンと第一壁との反応により発生したものとみなされる。一方、遅い増加の場合は、ガンマ線信号も増加していることから、鋸歯状波崩壊に伴う、ボロン不純物のプラズマへの流入により説明できる。
三枝 幹雄; 森山 伸一; 木村 晴行; 濱松 清隆; 藤井 常幸; 細金 延幸; 杉江 達夫; 久保 博孝
Japanese Journal of Applied Physics, 36(1A), p.345 - 349, 1997/01
被引用回数:1 パーセンタイル:9.52(Physics, Applied)JT-60Uでの少数イオンの第2高調波イオンサイクロトロン共鳴加熱(ICRH)実験において、加熱に伴う放射損失の増加率が、ICRH入力の増加に伴って40%から10%以下にまで減少する現象が観測された。この現象は、ICRHによって加速された高速イオンの増加に伴って、速波の吸収が改善されたためであることが、実験データ解析及び数値計算によって解明された。
磯部 光孝*; 飛田 健次; 西谷 健夫; 草間 義紀; 笹尾 真実子*
Nuclear Fusion, 37(4), p.437 - 444, 1997/00
被引用回数:12 パーセンタイル:41.47(Physics, Fluids & Plasmas)中性粒子入射(NBI)イオン及び核融合生成トリトンの粒子損失に対して、トロイダル磁場のリップル上下非対称性の及ぼす効果を実験により調べた。NBIイオンの損失は短パルス(30ms)NB入射直後の2.5MeV中性子発生率の応答から、トリトンの損失は25MW、2sのNBIで二次反応として生ずる14MeV中性子発生率の応答から評価した。この実験により、リップルの非対称はこれら高速イオンの粒子損失に影響を与えないことを明らかにした。軌道追跡モンテカルロコードを用いて、NB入射イオンに対する実験結果を解析したところ、実験を支持する結果が得られた。